極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

もしかしたら、父親の恨みを抱いているのではないかと疑うのは杞憂なのか。


「そうですね。そうさせてもらいます」


どちらとも判断がつかず、貴行も表面的な笑顔で返した。
それに気を良くした陽奈子がうれしそうに大和の横に並ぶ。


「貴行さん、なにがいいですか?」
「ホットにするか」


メニュー表をさっと眺めて無難に答えたが、陽奈子には不満だったらしい。


「え? ホット? もう少し手の込んだものにしません?」
「手の込んだものってなんだよ」
「たとえば、カフェモカとかカフェラテとか。あ、フラッペもいいですね」


人差し指でメニュー表を追いかけながら、陽奈子があれこれと商品名を並べたてる。


「それじゃ、陽奈子が作りたいものにしたらいい」
「いいんですか?」

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