極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
(これが嫉妬というやつか。俺も落ちぶれものだ)
そう思いながらも、嫌だという気持ちにはならない。
「それは言葉の綾じゃないですか」
「冗談だ」
クククと笑いながら陽奈子の髪をさらりと撫でる。
「俺のこと以外に考えられないように、陽奈子には昨夜しっかり仕込んであるしね」
そう言った途端、陽奈子の顔がりんごのように真っ赤に染まる。昨夜のふたりの初夜を思い出したみたいだ。
「た、貴行さんの意地悪」
ぷいと顔を背け、ストローを勢いよく吸い込む。みるみるうちに減っていく嵩。そしてあっという間に空にした。
照れ隠しなのがわかるからこそ愛らしい。
「全部飲んじゃいましたからね! 飲みたかったって言っても遅いですから」
「いいよ、俺はこっちで味わうから」
陽奈子の肩を抱き寄せ、その唇を奪うように口づけた。