極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

◇◇◇

定時の六時で仕事をあがった陽奈子は、早紀の運転する車に乗っていた。
珍しく車で出勤した早紀が、陽奈子を貴行の待つ店まで送り届けてくれることになったのだ。


「早紀さん、車持ってるなんてすごいですね」
「あぁ、これはレンタカーよ。車に乗るのは好きなんだけど、維持費がかかるでしょう? だから、たまにこうして借りることがあるの。明日は休みだから、そのままどこかへ行こうかなと思って」


それはとても賢い使い方だと陽奈子も思った。都会では駐車料金などの維持費もばかにならない。
乗りたいときだけレンタルすれば、それで十分だろう。


「彼とおでかけですか?」
「……ううん。平日だから無理よ。仕事があるでしょ?」
「そうでしたね。それじゃ、おひとりですか?」


陽奈子の質問に、早紀は真っすぐ向いたまま笑みを浮かべるだけだった。
しばらくすると、車がなぜか首都高の料金所を通過していく。

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