極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
「細かいことは気にするな」
「でも、パジャマが濡れて気持ち悪い」
「それじゃ脱ごう」
言うが早いか、貴行は素早く陽奈子のパジャマを脱がせにかかり、あっという間にプールサイドにポーンと放り投げた。
反射的にバンザイをして脱ぎやすくした陽奈子もどうかと思うが、キャミソール一枚になって心許ない。しかも、濡れてしまったからスケスケだ。
恥ずかしくて咄嗟に胸を隠すように腕で自分を抱きしめる。
「俺だってこんな格好なんだから、気にする必要はない。それにふたりきりだ」
「そうですけど……!」
貴行はきちんと水着を着ているではないか。
キャミソール一枚でびしょ濡れになっているほうが素っ裸より卑猥な感じがして、頬に血流が一気に集まる。
そのうえ、月の光に照らされた貴行はなんともいえずセクシーで……。
ひと筋はらりと額に落ちた髪からポタリと雫が落ちるたびに、陽奈子の胸が高鳴っていく。