極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
「まぁ、そこが陽奈子のいいところでもあるんだけど」
褒められているのか、けなされているのか。
貴行はもう一度陽奈子を抱き寄せた。
「嘆願書を書きたいなら書けばいい。弁護士経由で検察と裁判所に提出してもいいだろう」
「本当ですか!?」
貴行からパッと離れ、その顔を見上げる。
すると貴行はしぶしぶといった様子でうなずいた。
「ありがとうございます!」
「なんかむかつく」
「なにがむかつくんですか?」
そう問いかけた直後、貴行が陽奈子をプールサイドへ抱き上げる。
透けて見える胸もとを両腕で隠し、貴行がプールから上がるのを眺めた。
「もう泳がないんですか?」
「泳ぐのは終わりだ」
そう言いながらもう一度陽奈子を抱き上げたかと思えば、プールサイドのカウチソファにそっと下ろした。