極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

「バカみたいはひどくないですか?」
「間違えてないだろ」
「あっ、ひどーい!」


不敵な笑みを浮かべる貴行に唇を尖らせていると、陽奈子たちに声をかけてきた人がいた。


「あら、あなたたち……!」


そちらを見れば、四ヶ月前にここで指輪を失くした女性、その人だった。


「マルタにいらしてたの? 時間はない? この前のお礼にお茶をご馳走したいわ。ね? ぜひ!」


貴行とお互いに顔を見て、快くうなずく。


「それでは、お言葉に甘えて」


女性はうれしそうに陽奈子たちを自宅へ招き入れた。

開放感のあるリビングは、白を基調としたモダンなインテリアでまとめられている。重厚さも感じさせる石の壁と太い梁の大空間だ。

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