極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

そう言われて、陽奈子はハッとした。
貴行の言う通りだ。アマーリアが指輪を探していなかったら、陽奈子はそのまま素通りしていた。そうなると、貴行と二度目の再会はなかっただろう。


「僕たち、結婚したんです」
「まぁ! なんてことなの! おめでとう!」


アマーリアは両手を口もとに持っていき、驚きに目を見開いたかと思えば、手を叩いて祝福した。


「アマーリアさんとご主人のおかげです。ありがとうございました」


陽奈子がお礼を言うと、貴行は肩を抱き寄せ微笑んだ。


「信じられないわ! 私が恋のキューピッドになっただなんて!」


まさにそうだ。アマーリアが貴行と陽奈子を強く結びつけた。


「こうしてはいられないわ。今おいしいものを用意するわね」


まるで自分のことのようにはしゃぎながら、アマーリアはお手製のケーキを出し、ささやかなお祝いの会を開いてくれたのだった。
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