極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない
最初のキスは思わせぶりに
抜けるような青い空に、どこまでも透明度の高い海。
この世界にはブルーしか存在していないのではないかと思うほど、目にも鮮やかな景色が陽奈子の前に広がっていた。
門のような岩をくぐるたびに海はコバルトブルーやインディゴブルー、ターコイズブルーと色を変え、陽奈子たちを出迎える。
きらきらと乱反射した光が、美しさに彩りを加えた。
「すごーい!」
ボートの上で思わず歓声をあげたくなるのも無理はないだろう。
「おい、危ないぞ」
陽奈子は船底を覗こうと身を乗りだして、貴行に引き止められた。
「でもすごくないですか? もう本当に綺麗! 写真で見るよりずっとずっと!」
興奮して自分でも収拾がつかない。我を忘れるとはこのことだ。