極上御曹司は契約妻が愛おしくてたまらない

今回の教訓は、旅先で心を揺らすべからずといったところか。


「あ、それで、これはお土産です。大したものは用意できなかったのですが」


陽奈子は手にしていた紙袋をカウンターに置き、そこから小瓶をいくつか取り出した。

世界的にも有名だというマルタ島のはちみつは、クローバーやユーカリなど、マルタのたくさんの花々からみつばちが集めたものだ。
季節や条件でも味が変わり、いろいろなパターンが楽しめるらしく、どれもおいしいと人気のお土産だと聞いている。

飾りとしても楽しめる綺麗な瓶詰だ。


「わぁ、ありがとう」


早紀にも大和にも喜んでもらえ、ひとまず安堵である。


「さてと、お土産話はまたあとにして、まずはオープン準備を進めようか」


大和の言葉を合図に、陽奈子と早紀は「はい!」と取りかかった。

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