花火は恋のよに
優side
「……俺でいいじゃん。俺なら絶対につむぎちゃんを幸せにするのに。」
ほんとはそう伝えたかった。でもあと一歩の勇気が足りなっかった。
「なっさけねぇーーーーーーー!」
つむぎちゃんとバイバイした後、死ぬほど後悔した。
…俺、このまま何年も片想いのままなのか、
もうすでに10年目の片想い、これからの事を考えると気が遠くなる。
俺が小学校1年生の時に、1つ年上のつむぎちゃんの隣の部屋に越してきてから、お互い家族みたいに仲が良くて、ちょうど二人とも親が共働きで夜遅いことが多く、毎日一緒にご飯を食べるようになった。
好きな人と毎日一緒にいられるのはそれはもう幸せで…うん、幸せすぎる。
でも時に、その「家族のような関係」が俺の片想いの邪魔をする。
恋愛対象として見られてないなんて、致命傷すぎる。
変わらなくちゃ、と焦っていた。
「焦りは禁物」なんていうけれど、この状況に焦らずにはいられなかった。