私のしあわせ
今日もいつもの様に街を歩いていると
どこからか声が聞こえてくる。
「誰か助けて…!」
声のする方は路地裏
『なにしてる』
そこには2人組の男達
男達は今にも女に襲いかかろうとしている。
そこに私が来たから随分とお怒りのようだ。
「あ?見てわかんねぇのかよ!?」
「俺ら今から楽しい事すんだからとっとと失せな」
実にめんどくさい。
ここで立ち去ってもいいが敵に背を向けるのは気に食わない。
近くにいた男を軽く蹴り飛ばす。
思ったよりも飛んでいったので少し驚いた。
こいつら弱いな
『弱いくせにいきがるな』
私の言葉に怒りが頂点に達したのか残った男がこちらを振り返る。
「あ!?てめぇふざけんな…よ…!?」
なんだこいつ。
さっきまで威勢良く怒鳴ってきていたのにいきなり顔を青くしだした。
「な、なんでお前がここにいるんだ…!?」
私の事知っているのか。
なら話は早い
『おい、今すぐその女を離せ』
「は、はい…!!」
男はさっきの態度が嘘のように素直に女を離した。
『おい、そこの女、早く行け』
「あ、ありがとうございました!」
女が遠くまで行ったのを確認してから男達に向き直る
『さて、始めようか』
いつの間にか蹴り飛ばした男は起き上がっていた。
『さぁ、私を楽しませて』
私がそう言うと男達は顔を真っ青にして足をガクガク震えさすもんだからなかなか面白い。
「すみません!もうしないので許してください!
」
男達の声を無視して2人に回し蹴りをする
「ガハッ」
たった一撃しかしていないのにもう気絶してしまった2人を見て、ため息をつく。
『つまらない』
誰か私を楽しませてくれる人はいないのか。
それから何人か相手にしたけれど、
みんなすぐに気絶してしまうから
全く面白くない。
あぁ、今日はもう帰らなければ。
あの子が起きてきてしまう。
私は少し急ぎ足で自宅への道を歩いた。