愛を捧ぐフール【完】
「フォティオスお兄様と久しぶりに会いました。きっとフォティオスお兄様が今世で生まれ変わっていた事を、ファウスト様はご存知だったのですか?」
「……うん。知っていたよ」
くしゃりと泣きそうな顔で微笑んだファウスト様とフォティオスお兄様に一体何があったというのか。
「ちょっと……ね。僕達仲違いしちゃったんだ。クラリーチェが気にする事じゃないよ」
「そう……だったんですか」
私の言い淀んでいた事が伝わったのか、ファウスト様は苦笑して私の頭を優しく撫でる。あんなに仲がよかったのにーー。
「そういえばファウスト様。フィリウス侯爵家のパーティー、ファウスト様は出席なさってましたか?」
フィリウス侯爵家のパーティーで私は確かにファウスト殿下に挨拶をした。でも、その人は目の前のファウスト様だったかと言われると、答えは否だ。
「……うん。知っていたよ」
くしゃりと泣きそうな顔で微笑んだファウスト様とフォティオスお兄様に一体何があったというのか。
「ちょっと……ね。僕達仲違いしちゃったんだ。クラリーチェが気にする事じゃないよ」
「そう……だったんですか」
私の言い淀んでいた事が伝わったのか、ファウスト様は苦笑して私の頭を優しく撫でる。あんなに仲がよかったのにーー。
「そういえばファウスト様。フィリウス侯爵家のパーティー、ファウスト様は出席なさってましたか?」
フィリウス侯爵家のパーティーで私は確かにファウスト殿下に挨拶をした。でも、その人は目の前のファウスト様だったかと言われると、答えは否だ。