愛を捧ぐフール【完】
「エレオノラ様と陛下を見ていると、お互いがお互いを必要としている、理想的な夫妻をそのまま体現したかのようでした。だから、エレオノラ様が陛下と幸せになりたいというお気持ちはとても良くわかります」
「イオアンナ……」
「過去のエレオノラ様と陛下の幸せがほんの僅かであったのを見ていた私からすると、エレオノラ様の願いはとても納得出来ます」
無意識に強ばっていた肩の力が抜けた。イオアンナが私の背中を優しく撫でてくれる。私はいつの間にか涙を零していた。
私とクリストフォロス様が、私とファウスト様が2人で幸せになりたいという願いを、誰もが後ろ指を指して非難する願いを、願う事すら傲慢だと言われる願いを。
今日だけは、イオアンナにだけは、言ってもいいんじゃないかって思えた。
私はずっと、身分もしがらみもない世界で、彼と幸せになりたかったの。
「イオアンナ……」
「過去のエレオノラ様と陛下の幸せがほんの僅かであったのを見ていた私からすると、エレオノラ様の願いはとても納得出来ます」
無意識に強ばっていた肩の力が抜けた。イオアンナが私の背中を優しく撫でてくれる。私はいつの間にか涙を零していた。
私とクリストフォロス様が、私とファウスト様が2人で幸せになりたいという願いを、誰もが後ろ指を指して非難する願いを、願う事すら傲慢だと言われる願いを。
今日だけは、イオアンナにだけは、言ってもいいんじゃないかって思えた。
私はずっと、身分もしがらみもない世界で、彼と幸せになりたかったの。