愛を捧ぐフール【完】
「やーっぱりご存知でしたか。ですよね、有名ですもんね……あれ、私の願いが詰まったお話なんです」
「イオアンナの願いが詰まったお話?」
「ええ!エレオノラ様が幸せになって欲しいって思いで書いたんです!まさか陛下にまで読まれてるなんて、恥ずかしい通り越して穴に入りたい気分でしたよー!」
おとぎ話の王妃様は王様と仲良く幸せに暮らす。沢山の子供に囲まれて。
前世では全く成し遂げられなかった。それでも何度も夢見た光景。
「とにかく!エレオノラ様には幸せになってもらいたいという思いは本物なんですからねっ!私は全力でエレオノラ様とファウスト様の仲を応援してますからっ!」
「ええ。ありがとう。イオアンナ」
にっこりと私が微笑むとイオアンナは安心したような顔をして、それでは侍女を呼んできますねとパタパタ小走りで駆けて行った。
昔と変わらない彼女の一面を見て、私の表情は思わず緩む。
「まさか、オリアーナがエレオノラ王妃様の侍女だったとはな」
ーー冷たい、私を蔑むような声が降るまでは。
「イオアンナの願いが詰まったお話?」
「ええ!エレオノラ様が幸せになって欲しいって思いで書いたんです!まさか陛下にまで読まれてるなんて、恥ずかしい通り越して穴に入りたい気分でしたよー!」
おとぎ話の王妃様は王様と仲良く幸せに暮らす。沢山の子供に囲まれて。
前世では全く成し遂げられなかった。それでも何度も夢見た光景。
「とにかく!エレオノラ様には幸せになってもらいたいという思いは本物なんですからねっ!私は全力でエレオノラ様とファウスト様の仲を応援してますからっ!」
「ええ。ありがとう。イオアンナ」
にっこりと私が微笑むとイオアンナは安心したような顔をして、それでは侍女を呼んできますねとパタパタ小走りで駆けて行った。
昔と変わらない彼女の一面を見て、私の表情は思わず緩む。
「まさか、オリアーナがエレオノラ王妃様の侍女だったとはな」
ーー冷たい、私を蔑むような声が降るまでは。