愛を捧ぐフール【完】
「それで、オリアーナ嬢と連絡が取れない……と」
「ああ。この前あった夜会でクラリーチェ嬢が急にいなくなったと彼女の侍女から聞いて、オリアーナ嬢と3人でクラリーチェ嬢を探していたんだ。一度2手に分かれて探そうってなったんだが……、俺が会場に戻ってもずっとオリアーナ嬢とクラリーチェ嬢の侍女が戻って来なくてな……」
「なるほど」
ファウスト殿下は腕を組んで難しい顔をする。
アルフィオ殿下はこの状況を静観することにしたのか、黙って聞いていた。
「クラリーチェ嬢の居場所は分かっているよ。けれど、オリアーナ嬢については分からないな……」
「そうか……」
「でも、クラリーチェ嬢がアウレリウス公爵の所有する別邸に軟禁されている状態だから、オリアーナ嬢も多分似たような状況かもしれない」
「なんでアウレリウス公爵は実の娘を……」
軟禁したのか。実の娘を軟禁する必要はない筈だーーと言いかけて、俺は息を呑んだ。
そう。軟禁する必要性がないのだ。
オリアーナ嬢が軟禁されているのなら、何故軟禁されなければならないのか。
「ああ。この前あった夜会でクラリーチェ嬢が急にいなくなったと彼女の侍女から聞いて、オリアーナ嬢と3人でクラリーチェ嬢を探していたんだ。一度2手に分かれて探そうってなったんだが……、俺が会場に戻ってもずっとオリアーナ嬢とクラリーチェ嬢の侍女が戻って来なくてな……」
「なるほど」
ファウスト殿下は腕を組んで難しい顔をする。
アルフィオ殿下はこの状況を静観することにしたのか、黙って聞いていた。
「クラリーチェ嬢の居場所は分かっているよ。けれど、オリアーナ嬢については分からないな……」
「そうか……」
「でも、クラリーチェ嬢がアウレリウス公爵の所有する別邸に軟禁されている状態だから、オリアーナ嬢も多分似たような状況かもしれない」
「なんでアウレリウス公爵は実の娘を……」
軟禁したのか。実の娘を軟禁する必要はない筈だーーと言いかけて、俺は息を呑んだ。
そう。軟禁する必要性がないのだ。
オリアーナ嬢が軟禁されているのなら、何故軟禁されなければならないのか。