愛を捧ぐフール【完】
30代前の金髪金眼の男は、その地位に相応しい筋骨隆々で逞しさを兼ね備えていた。それが見掛け倒しなのかどうかは、平和な時代に発揮されたことはなかったが。
対する僕はというと、前世を含めて兵を率いて戦うということは初めてだ。一応習ってはいるが、空論に近いものでしかない。
計画が無事にいくかどうか、不安を感じながらも僕は出兵の準備を進めた。
その2日後、国王に命令された王国軍は王太子である僕を筆頭として、ウルヘル辺境伯領に派遣された。一糸乱れぬ軍の騎士達を見て、人々は流石鍛えられた王国の騎士達と讃えた。
「……ウルヘル辺境伯領まであとどのくらいかい?」
「このまま行けばあと1日程で到着予定です」
「うん。いい調子だ。兵達は疲れていないかい?」
「大丈夫です」
時々野営だが、今日は大きな街で宿を取る。街の中で1番高い宿で、僕とラウルとシストはテーブルの上の地図を広げて議論を交わしていた。
対する僕はというと、前世を含めて兵を率いて戦うということは初めてだ。一応習ってはいるが、空論に近いものでしかない。
計画が無事にいくかどうか、不安を感じながらも僕は出兵の準備を進めた。
その2日後、国王に命令された王国軍は王太子である僕を筆頭として、ウルヘル辺境伯領に派遣された。一糸乱れぬ軍の騎士達を見て、人々は流石鍛えられた王国の騎士達と讃えた。
「……ウルヘル辺境伯領まであとどのくらいかい?」
「このまま行けばあと1日程で到着予定です」
「うん。いい調子だ。兵達は疲れていないかい?」
「大丈夫です」
時々野営だが、今日は大きな街で宿を取る。街の中で1番高い宿で、僕とラウルとシストはテーブルの上の地図を広げて議論を交わしていた。