愛を捧ぐフール【完】
アウレリウス公爵が大声を出す。ファウスト様が襤褸を被り直すと、アウレリウス公爵家の私兵らしき人々の足音が聞こえてきた。
「……シスト」
「はいはーい」
ファウスト様の声は抑えていたが、どこから現れたのか同じような襤褸を纏った青年が、軽い声で返事をする。
「足止めをお願いするよ」
「りょーかいっ!……汚名返上、ってね!」
シストと呼ばれた青年がアウレリウス公爵の方へ飛び出すと同時に、ファウスト様が私の膝裏に手を回して抱き上げた。
「さあ、逃げるよ。クラリーチェ」
私達は先の見えない闇へと、明るい希望を持って一歩踏み出した。
「……シスト」
「はいはーい」
ファウスト様の声は抑えていたが、どこから現れたのか同じような襤褸を纏った青年が、軽い声で返事をする。
「足止めをお願いするよ」
「りょーかいっ!……汚名返上、ってね!」
シストと呼ばれた青年がアウレリウス公爵の方へ飛び出すと同時に、ファウスト様が私の膝裏に手を回して抱き上げた。
「さあ、逃げるよ。クラリーチェ」
私達は先の見えない闇へと、明るい希望を持って一歩踏み出した。