愛を捧ぐフール【完】
愛を捧ぐフール
秘密の関係
運命の出会いが必ずしも素敵な事だとは限らないなんて、誰が想像しただろう。
1度目の運命の出会いは、ずっとずっと昔。
私がクラリーチェという名前じゃなかった頃。
まだ8歳だった私は、国で五本指に入る位の裕福な家庭で生まれ育ったそれはそれは高貴なお姫様だった。
両親の美貌を受け継ぎ、誰からも愛され、この世の全ての幸福を一身に受けたような立場にいたのだ。
そんな私の父親が決めてきた婚約者がクリストフォロス様ーー現在のファウスト様である。
今と政治体制は少し違い、国王と9人の貴族議会で国が成り立っているような時代で、クリストフォロス様は今と同じ王太子様だった。
それでも王太子様であるクリストフォロス様は一人っ子だったし、今世のように王太子という立場が不安定だなんてことはなかったのである。
今のファウスト様と同じく、クリストフォロス様は私より3つ年上のお兄さんだった。
1度目の運命の出会いは、ずっとずっと昔。
私がクラリーチェという名前じゃなかった頃。
まだ8歳だった私は、国で五本指に入る位の裕福な家庭で生まれ育ったそれはそれは高貴なお姫様だった。
両親の美貌を受け継ぎ、誰からも愛され、この世の全ての幸福を一身に受けたような立場にいたのだ。
そんな私の父親が決めてきた婚約者がクリストフォロス様ーー現在のファウスト様である。
今と政治体制は少し違い、国王と9人の貴族議会で国が成り立っているような時代で、クリストフォロス様は今と同じ王太子様だった。
それでも王太子様であるクリストフォロス様は一人っ子だったし、今世のように王太子という立場が不安定だなんてことはなかったのである。
今のファウスト様と同じく、クリストフォロス様は私より3つ年上のお兄さんだった。