愛を捧ぐフール【完】
「ええ、幸せですわ」
「本当にお幸せですか?」
「……ええ。どうしてそんなことを聞くのですか?お兄様」
誰から見ても、幸せな筈なのに。
お兄様の濃い色をした碧眼が翳(かげ)った。
「陛下がテレンティア様の元に足繁く通われていると聞きました」
「……ええ」
「エレオノラ王妃様が蔑ろにされているのではないかと心配になりまして……」
蔑ろになんかされていない。毎日贈り物が届くし、朝には顔を合わせている。
「蔑ろになんかされていません。お兄様、どうしてその様な事を……?」
「夜のお渡りが毎日側室のテレンティア様のみに集中していると伺いまして……。エレオノラ王妃様にまだ御子がおられないのに」
「本当にお幸せですか?」
「……ええ。どうしてそんなことを聞くのですか?お兄様」
誰から見ても、幸せな筈なのに。
お兄様の濃い色をした碧眼が翳(かげ)った。
「陛下がテレンティア様の元に足繁く通われていると聞きました」
「……ええ」
「エレオノラ王妃様が蔑ろにされているのではないかと心配になりまして……」
蔑ろになんかされていない。毎日贈り物が届くし、朝には顔を合わせている。
「蔑ろになんかされていません。お兄様、どうしてその様な事を……?」
「夜のお渡りが毎日側室のテレンティア様のみに集中していると伺いまして……。エレオノラ王妃様にまだ御子がおられないのに」