アイスクリームと雪景色
「Z大の応援団って言うのは、下手な体育系クラブより規律が厳しくて、まず最初の一年は、徹底的に体力作りをやらされるらしい。その上、完璧な縦社会。といっても、先輩が後輩をいたぶるような歪んだ団体ではない。むしろそういった威張るだけの輩は、ついていけないそうだ」

「そ、そうなんですか」

「活動内容としては、運動系クラブサークルの応援をはじめ、校内行事では会場整理、パトロールなんかも請け負うらしい。それだけ腕に覚えのある連中が揃ってるってことだな。時には校外からも依頼されればボランティアで防犯活動や、清掃なんかも引き受けるって話だ」

「あの里村くんが、ですか」

育ちの良いお坊ちゃんで、お金に不自由するわけでもなし、さぞや女の子にもてて、派手に遊んでいたのではないかと、美帆のみならず箱崎だって思っていたはずだ。

「地元だけではなく、どこかで誰かが助けを求めていれば、可能な限り出動する、そんなサークルらしくて……いや、サークルってよりも、まさに応援団だな」
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