アイスクリームと雪景色
私は教育係です!
美帆は一瞬、里村かと思ったが別人だった。
背が高く堂々とした体躯。巨漢と言ってもいいその人物は、総務課長の金本だった。
「成田美帆さんはっ……」
「正面にいるのがそうですよ」
呆然とする美帆に代わって、上司の箱崎が可笑しそうに教えた。
「ん? ああ、お前さんが」
じろりと睨まれた。いや、普通に見ただけだろうが、強面のせいで目つきが鋭く感じられるのだ。
「じゃまするよ」
金本はオフィスに足を踏み入れると、のしのし近付いて来て美帆の前に立った。
いかつい赤ら顔。巨体を曲げてじろじろと見回してくる様子は、地獄で死者を裁く閻魔大王を連想させる。間近で見るとかなり怖い。
「そうだ、うん、確かにお前さんだ。んー? えらくイメージが変わったなあ」
「は、はい」
いつと比べてのことか分からないが、美帆はとりあえず頷いておく。
「ま、そんなことはどうでもいい。ところで帰り際に悪いが、成田さんに話があってね」
「私にですか?」
総務課長が一体なんの用事だろう。美帆は戸惑うが、手招きされるまま廊下に出た。
背が高く堂々とした体躯。巨漢と言ってもいいその人物は、総務課長の金本だった。
「成田美帆さんはっ……」
「正面にいるのがそうですよ」
呆然とする美帆に代わって、上司の箱崎が可笑しそうに教えた。
「ん? ああ、お前さんが」
じろりと睨まれた。いや、普通に見ただけだろうが、強面のせいで目つきが鋭く感じられるのだ。
「じゃまするよ」
金本はオフィスに足を踏み入れると、のしのし近付いて来て美帆の前に立った。
いかつい赤ら顔。巨体を曲げてじろじろと見回してくる様子は、地獄で死者を裁く閻魔大王を連想させる。間近で見るとかなり怖い。
「そうだ、うん、確かにお前さんだ。んー? えらくイメージが変わったなあ」
「は、はい」
いつと比べてのことか分からないが、美帆はとりあえず頷いておく。
「ま、そんなことはどうでもいい。ところで帰り際に悪いが、成田さんに話があってね」
「私にですか?」
総務課長が一体なんの用事だろう。美帆は戸惑うが、手招きされるまま廊下に出た。