アイスクリームと雪景色
美帆は小さくため息をついた。
(才色兼備の彼女らをも虜にする魅力があいつには備わっている。それはわかるけど、敵視されるいわれはない。なぜなら私は里村宏道の教育係。あくまでもただの先輩だから)
案内された部屋の前に辿り着くと、美帆は秘書の前に回りこみ、真鍮のドアプレートを見据えた。
【会長室】
(今年のイブを、私はひとり静かに過ごすはずだった。目立たず騒がず。それなのに、なぜこんなことに? 予定を狂わせたのはあいつ。このプレートの力で)
「どうもありがとう。ここからは私ひとりで結構よ」
「えっ、でも」
ぽかんとする秘書に自分達の関係を教えるため、美帆は拳を振り上げた。
ドドドドン!
怒りを込めてノックし、返事が聞こえる前にドアを開いた。
勝手な真似をする後輩は、イケメンも身分も関係ない。指導するのみだ。
(才色兼備の彼女らをも虜にする魅力があいつには備わっている。それはわかるけど、敵視されるいわれはない。なぜなら私は里村宏道の教育係。あくまでもただの先輩だから)
案内された部屋の前に辿り着くと、美帆は秘書の前に回りこみ、真鍮のドアプレートを見据えた。
【会長室】
(今年のイブを、私はひとり静かに過ごすはずだった。目立たず騒がず。それなのに、なぜこんなことに? 予定を狂わせたのはあいつ。このプレートの力で)
「どうもありがとう。ここからは私ひとりで結構よ」
「えっ、でも」
ぽかんとする秘書に自分達の関係を教えるため、美帆は拳を振り上げた。
ドドドドン!
怒りを込めてノックし、返事が聞こえる前にドアを開いた。
勝手な真似をする後輩は、イケメンも身分も関係ない。指導するのみだ。