アイスクリームと雪景色
「だって、クリスマスですから」
やっぱり。
クスッと笑う美帆に、里村は拗ねたように言う。
「笑わないでください。俺はその日、初めてのボーナスで成田先輩にプレゼントしようって決めてるんです」
「え?」
つまりそれは、クリスマスプレゼントだ。里村は大真面目である。
「い、いらないわよ、別に。そんな、私に気を遣わなくても」
「いいえ、プレゼントしますッ。その日、その場所で!」
彼の中ではすべて決定事項のようだ。何を言っても予定変更しないだろう。
それにしても、今のは意外な発言だ。
雪の夜、里村と食事したレストランで、彼はカードで会計を済ませた。しかも慣れた仕草で。
会社勤めなど必要ないくらいのお小遣いを、親族からもらっているのではないか。そんな風に思っていたのに、ボーナスでプレゼントするなんて、普通のサラリーマンみたいだ。
「俺は絶対、この日に行きます」
じりじりと間を詰めてくる里村から、美帆は後退りする。女性秘書に向けたような、紳士的な視線ではない。
これは、美帆だけが知っている里村の視線だ。
やっぱり。
クスッと笑う美帆に、里村は拗ねたように言う。
「笑わないでください。俺はその日、初めてのボーナスで成田先輩にプレゼントしようって決めてるんです」
「え?」
つまりそれは、クリスマスプレゼントだ。里村は大真面目である。
「い、いらないわよ、別に。そんな、私に気を遣わなくても」
「いいえ、プレゼントしますッ。その日、その場所で!」
彼の中ではすべて決定事項のようだ。何を言っても予定変更しないだろう。
それにしても、今のは意外な発言だ。
雪の夜、里村と食事したレストランで、彼はカードで会計を済ませた。しかも慣れた仕草で。
会社勤めなど必要ないくらいのお小遣いを、親族からもらっているのではないか。そんな風に思っていたのに、ボーナスでプレゼントするなんて、普通のサラリーマンみたいだ。
「俺は絶対、この日に行きます」
じりじりと間を詰めてくる里村から、美帆は後退りする。女性秘書に向けたような、紳士的な視線ではない。
これは、美帆だけが知っている里村の視線だ。