アイスクリームと雪景色
「ああ、この人ね。思い出した!」
母がぱちんと手を打ち、朗らかに笑った。
「同じ宿に泊まったおじさんなんだけど、美帆のことを気に入って、次の日ずっとついて来たのよ」
「ええ?」
もう一度写真を確かめるが、どう見ても50年配の中年男性である。小さな子供同士ならいざ知らず、こんなおじさんに気に入られ、しかもついて来られるなんて、あまりいい気持ちはしない。
「それはつまり、私が孫に似てるとか?」
そういった理由なら納得だが、母はクスクス笑いながら首を左右に振る。
「それがね、うーんと……なんだったかな。そうそう、美帆のことを『雪の姫さんみたい』って、言ってた。笑顔がものすごく可愛いって。お父さんも私も親馬鹿で喜んじゃってね、ちょっと変った人だとは思ったけど、邪険にできなくて。明るくて、楽しい人だったし」
美帆は誰かを連想しかける。
というか、親馬鹿というより危機感がなさすぎる両親に対して怒るほうが先だった。決して、笑える話ではない。
母がぱちんと手を打ち、朗らかに笑った。
「同じ宿に泊まったおじさんなんだけど、美帆のことを気に入って、次の日ずっとついて来たのよ」
「ええ?」
もう一度写真を確かめるが、どう見ても50年配の中年男性である。小さな子供同士ならいざ知らず、こんなおじさんに気に入られ、しかもついて来られるなんて、あまりいい気持ちはしない。
「それはつまり、私が孫に似てるとか?」
そういった理由なら納得だが、母はクスクス笑いながら首を左右に振る。
「それがね、うーんと……なんだったかな。そうそう、美帆のことを『雪の姫さんみたい』って、言ってた。笑顔がものすごく可愛いって。お父さんも私も親馬鹿で喜んじゃってね、ちょっと変った人だとは思ったけど、邪険にできなくて。明るくて、楽しい人だったし」
美帆は誰かを連想しかける。
というか、親馬鹿というより危機感がなさすぎる両親に対して怒るほうが先だった。決して、笑える話ではない。