アイスクリームと雪景色
急に話が変わったためか、里村はきょとんとする。
「そうみたいですね。昨夜も、海外視察ばかりで腹の調子が悪い。日本食が食いたいってぼやいてました」
「……会長が?」
「はい。電話がかかってきたんです」
スーツのポケットからスマートフォンを取り出してみせる。つまり、代表取締役会長が“個人的に”電話をかけてきた――ということ。
「そ、そうなんだ」
一般的に、大叔父と大甥というのは、そんなに仲が良いものだろうか?
里村と並んで階段を上がりつつ、美帆は首をひねる。前に、外山会長は里村に似た人なのだろうと想像したが、よく考えると彼らに血の繋がりはない。
(相当、気が合うのかも。ていうか、会長って、どんな人だったかしら?)
美帆は辞令を押し付けられて以来、外山会長のことが気になっている。会長はじめ役員は雲上の人間であり、これまで関心が薄かったのだが。
会長の顔や姿を思い出そうとする。
「そうみたいですね。昨夜も、海外視察ばかりで腹の調子が悪い。日本食が食いたいってぼやいてました」
「……会長が?」
「はい。電話がかかってきたんです」
スーツのポケットからスマートフォンを取り出してみせる。つまり、代表取締役会長が“個人的に”電話をかけてきた――ということ。
「そ、そうなんだ」
一般的に、大叔父と大甥というのは、そんなに仲が良いものだろうか?
里村と並んで階段を上がりつつ、美帆は首をひねる。前に、外山会長は里村に似た人なのだろうと想像したが、よく考えると彼らに血の繋がりはない。
(相当、気が合うのかも。ていうか、会長って、どんな人だったかしら?)
美帆は辞令を押し付けられて以来、外山会長のことが気になっている。会長はじめ役員は雲上の人間であり、これまで関心が薄かったのだが。
会長の顔や姿を思い出そうとする。