アイスクリームと雪景色
『えっ? マジですか!!』

またしても耳がじーんとする。美帆はもう少し小さな声で話すよう注意しながら、日程表をカーペットの上に広げた。

『すみません、つい興奮しちゃって。わあー、かけてよかったなあ』

子どもみたいに喜ぶ里村が可笑しくて、ぷっと吹き出す。ひざ掛け毛布を引き寄せ、カーペットにぺたんと座った。

「それじゃ、とりあえず明日の日程を確認しましょうか」

『へっ?』

間の抜けた声が聞こえた。

美帆は構わずプリントを手に取り、出発から休憩、現地到着までの時間を確認する。

『日程って、もしかして社員旅行のですか?』

「そうよ。あなたが楽しみにしてる、ね」

ちょっと意地悪い口調だが、美帆はいたって真面目だ。

『あのー、どちらかというと普通の話をしたいんですけど。仕事がらみじゃなくて……』

「なに言ってるの。せっかくだから確認しましょう。はい、まずは明日の予定から」

『うう、わっかりましたー。あ、ちょっと待ってください。俺も日程表を取って来ます』

里村が電話に戻るのを待つ間、美帆は坂崎を思い浮かべた。
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