アイスクリームと雪景色
「油断して、成田さんを一人にしてしまった。すみません」
「そんなこと。それに、女湯でのことだもの、仕方ないわよ」
油断したのは美帆である。用心が悪かったのだから、里村にすまないとさえ思う。
「どうも、氷川ルナは成田さんだけに執着していますね。俺は関係なく」
「ええ」
美帆は同意する。初め、ルナは里村に執着しているのだと思い込んだ。
だけど、里村に気があるなら美帆のいないところでアプローチすればいい。それをしないのは、目的が美帆だけということ。
「とにかく、無事でよかったです。これからはもう、ずっと俺と一緒にいましょう。片時も離れないで」
里村は男らしく低い声で言うと、美帆の手をぎゅっと握りしめ、熱心に見つめてくる。守ろうとする心意気に美帆はあらためて感激し、見つめ返した。
風呂上りの団体客がじろじろ眺めて行くが気にしない。
「里村くん」
「だから、その、夜も護衛します。成田さんの部屋で」
「うん、ありが……」
私の、部屋――?
ぱっと手を離した。
「どっ、どさくさにまぎれて何を……こんな時に、ふざけないで!」
「ふざけてませんよ」
「そんなこと。それに、女湯でのことだもの、仕方ないわよ」
油断したのは美帆である。用心が悪かったのだから、里村にすまないとさえ思う。
「どうも、氷川ルナは成田さんだけに執着していますね。俺は関係なく」
「ええ」
美帆は同意する。初め、ルナは里村に執着しているのだと思い込んだ。
だけど、里村に気があるなら美帆のいないところでアプローチすればいい。それをしないのは、目的が美帆だけということ。
「とにかく、無事でよかったです。これからはもう、ずっと俺と一緒にいましょう。片時も離れないで」
里村は男らしく低い声で言うと、美帆の手をぎゅっと握りしめ、熱心に見つめてくる。守ろうとする心意気に美帆はあらためて感激し、見つめ返した。
風呂上りの団体客がじろじろ眺めて行くが気にしない。
「里村くん」
「だから、その、夜も護衛します。成田さんの部屋で」
「うん、ありが……」
私の、部屋――?
ぱっと手を離した。
「どっ、どさくさにまぎれて何を……こんな時に、ふざけないで!」
「ふざけてませんよ」