アイスクリームと雪景色

「イブも仕事です」という毎回の言い訳も苦しくなり、限界を感じたのだろう。

(ついに私も26歳。そろそろ将来をきちんと見据えたい。そのためには、まずは恋人と呼べる人とイブを過ごさなければならない)

26歳までに恋人を見つけて30歳までに結婚するのが大体の目安であり、自分には順当な幸せだと思う。

計画的にものを考える美帆は、焦る気持ちをなだめつつ、早速これからのことを順立てした。まずはお相手候補である。

幸いなことに、すぐに思い浮かぶ男性がいた。入社以来、仕事最優先で生活してきた彼女だが、一人だけ心当たりがあったのだ。

(うん、あの人なら……)

理想の男性像に限りなく近い『彼』を、イブをともに過ごす恋人候補に挙げた。

美帆が理想とする男性像。

それは、小学4年生に経験した初恋相手が原型である。
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