アイスクリームと雪景色
坂道を少しずつ上り、やがて見晴らしのいい場所に出た。先ほどまでいたセンターハウスの屋根が見下ろせる。
「成田さん」
「ん?」
里村は美帆を見つめると、繋いでいた手をそっと離し、ポケットから何かを取り出す。
「これ、もらってください」
「なに……あ」
差し出されたそれを見て、どきんとする。赤と緑のラッピングに、銀色のリボン。
雲間から太陽の光が射し、二人を照らす。
「受け取ってください」
「あ、ありがとう」
美帆の手は震えている。
里村は、ちゃんと覚えていた。初めてのボーナスで、美帆にプレゼントすると言ったことを。
「鞄の奥に大事に仕舞っておいたんです。食事のあと、二人きりになったら渡そうと思って」
さっき、電話をかけると言ってレストランを出て行ったのは、ロッカーに預けたバッグからこれを持ち出すためだった。
だから、あんなに興奮気味に息を弾ませ、赤くなっていたのだ。
「成田さん」
「ん?」
里村は美帆を見つめると、繋いでいた手をそっと離し、ポケットから何かを取り出す。
「これ、もらってください」
「なに……あ」
差し出されたそれを見て、どきんとする。赤と緑のラッピングに、銀色のリボン。
雲間から太陽の光が射し、二人を照らす。
「受け取ってください」
「あ、ありがとう」
美帆の手は震えている。
里村は、ちゃんと覚えていた。初めてのボーナスで、美帆にプレゼントすると言ったことを。
「鞄の奥に大事に仕舞っておいたんです。食事のあと、二人きりになったら渡そうと思って」
さっき、電話をかけると言ってレストランを出て行ったのは、ロッカーに預けたバッグからこれを持ち出すためだった。
だから、あんなに興奮気味に息を弾ませ、赤くなっていたのだ。