アイスクリームと雪景色
「広報部に配属されてすぐ、小次郎さんを好きになったの。だけど、彼には成田美帆っていう恋人がいた。仕事ができる大人で、化粧が下手なくせに美人だし、スタイルもいいし、小次郎さんと似合ってる。絶対に適うわけない。片思いでも仕方ないなってあきらめてたけど、小次郎さんをないがしろにしてるあなたが許せなかった」
風が強く吹いている。
美帆は、自分を支えてくれる樹木の根元に足を踏ん張った。
ルナが、少しずつ近付いてくる。
「何より腹が立つのが、私が苦手なヒールの高い靴を履きこなしてること。小次郎さんは、あなたに放っておかれても、『美帆の脚はきれいだ』なんて、馬鹿みたいに褒めてる。頭にくる!」
坂崎は、美帆のロングブーツ姿が好きで、それだけは同僚に自慢していたらしい。
「だから、必死に彼を振り向かせたの。恋人に冷たくされて、あったかい愛情を欲しがってた小次郎さんは、ようやくあなたと別れてくれたわ」
ずきんと、美帆の胸が痛む。あの頃、坂崎は寂しくてたまらなかったのだ。裏切られても仕方なかったのだと、今なら分かる。
風が強く吹いている。
美帆は、自分を支えてくれる樹木の根元に足を踏ん張った。
ルナが、少しずつ近付いてくる。
「何より腹が立つのが、私が苦手なヒールの高い靴を履きこなしてること。小次郎さんは、あなたに放っておかれても、『美帆の脚はきれいだ』なんて、馬鹿みたいに褒めてる。頭にくる!」
坂崎は、美帆のロングブーツ姿が好きで、それだけは同僚に自慢していたらしい。
「だから、必死に彼を振り向かせたの。恋人に冷たくされて、あったかい愛情を欲しがってた小次郎さんは、ようやくあなたと別れてくれたわ」
ずきんと、美帆の胸が痛む。あの頃、坂崎は寂しくてたまらなかったのだ。裏切られても仕方なかったのだと、今なら分かる。