アイスクリームと雪景色
「箱崎さんに、パトロール隊の基地で待つように言われました」
「分かった。僕も一緒に行く」
ルナは美帆のスマートフォンを、壊れ物でも扱うようにポケットにしまう。そして坂崎のあとを、小走りでついていった。
パトロール隊の基地である白い建物の前に着くと、坂崎はルナに見向いた。
「僕に連絡をくれたのは、里村くんだよ」
「えっ?」
「昨夜、彼から電話がかかってきたんだ。君が社員旅行について来たことを教えてくれた」
ルナは愕然とする。美帆ではなく、里村が坂崎に連絡したと言うのだ。
「だから小次郎さんは、ここに来たの……?」
「親戚に不幸があって実家に帰ると、君は、そう言って会社を休んだはずなのに。驚いたよ」
ルナは、彼の穏やかな口調をかえって恐れた。何もかも察しているのだ。里村が一体どんなことを彼に伝えたのか、考えるだけで肝が縮む。
「……ご、ごめんなさい」
「ルナ」
震える彼女に、坂崎はため息を吐いた。やるせない気持ちのこもる、深い嘆息だ。
「分かった。僕も一緒に行く」
ルナは美帆のスマートフォンを、壊れ物でも扱うようにポケットにしまう。そして坂崎のあとを、小走りでついていった。
パトロール隊の基地である白い建物の前に着くと、坂崎はルナに見向いた。
「僕に連絡をくれたのは、里村くんだよ」
「えっ?」
「昨夜、彼から電話がかかってきたんだ。君が社員旅行について来たことを教えてくれた」
ルナは愕然とする。美帆ではなく、里村が坂崎に連絡したと言うのだ。
「だから小次郎さんは、ここに来たの……?」
「親戚に不幸があって実家に帰ると、君は、そう言って会社を休んだはずなのに。驚いたよ」
ルナは、彼の穏やかな口調をかえって恐れた。何もかも察しているのだ。里村が一体どんなことを彼に伝えたのか、考えるだけで肝が縮む。
「……ご、ごめんなさい」
「ルナ」
震える彼女に、坂崎はため息を吐いた。やるせない気持ちのこもる、深い嘆息だ。