アイスクリームと雪景色
バッグから取り出して見ると、発信者は箱崎だ。

「上司からだわ。仕事に問題が起こったのかも。小次郎さん、送ってくれてありがとう。私、もう行くね」

坂崎を残し、車を降りてしまった。

スマートフォンを耳にあてながらアパートの階段を上り、恋人を振り向きもしない。

坂崎と迎える4度目の冬。

美帆は彼の保護下で、わがままな子どものように甘えきっていた。

それに気付くのは、すべて失ってからのこと。
< 44 / 395 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop