アイスクリームと雪景色
「お疲れ様でしたー、オッケーです!」
撮影が無事終わり、身体から力の抜けた美帆は、椅子の背にぐったりともたれた。
「大丈夫?」
坂崎が近寄り、さり気なく声をかけてくれた。
「う、うん。平気よ、この通り……あっ」
立ち上がったとたん、よろめいた。ずっと緊張していたので、脚が痺れたのだ。
「危ない!」
坂崎が支えてくれた。美帆を抱きかかえる格好になり、周囲から冷やかす声が上がる。開発部と広報部の社員は、二人の関係をよく知っていた。
美帆はさっきとは別の意味で赤面しそうになるが、坂崎がすぐに座らせてくれたので、なんとか冷静を保つことができた。
「ご、ごめんなさい」
「いや、こっちこそすまない。撮影が長引いたから疲れたんだな」
落ち着いた口調は、美帆の好きな大人の要素である。仕事モードの彼と触れ合い、久しぶりに胸がときめいた。
だが直後、そんなしっとりとした感情も一気に吹き飛ぶような、強烈な発言が美帆を襲った。
「ぺったんこの靴でよかったですねー。ハイヒールだったら絶対倒れてますよー!」
撮影が無事終わり、身体から力の抜けた美帆は、椅子の背にぐったりともたれた。
「大丈夫?」
坂崎が近寄り、さり気なく声をかけてくれた。
「う、うん。平気よ、この通り……あっ」
立ち上がったとたん、よろめいた。ずっと緊張していたので、脚が痺れたのだ。
「危ない!」
坂崎が支えてくれた。美帆を抱きかかえる格好になり、周囲から冷やかす声が上がる。開発部と広報部の社員は、二人の関係をよく知っていた。
美帆はさっきとは別の意味で赤面しそうになるが、坂崎がすぐに座らせてくれたので、なんとか冷静を保つことができた。
「ご、ごめんなさい」
「いや、こっちこそすまない。撮影が長引いたから疲れたんだな」
落ち着いた口調は、美帆の好きな大人の要素である。仕事モードの彼と触れ合い、久しぶりに胸がときめいた。
だが直後、そんなしっとりとした感情も一気に吹き飛ぶような、強烈な発言が美帆を襲った。
「ぺったんこの靴でよかったですねー。ハイヒールだったら絶対倒れてますよー!」