アイスクリームと雪景色
今まで気に掛かっていた事柄が、繋がり始める。自分に対するルナの言葉や態度、違和感、不快感、何もかもが作為だったとしたら?

坂崎小次郎の恋人である自分に対する嫌がらせだとすれば、辻褄が合うではないか。

「小次郎さん、あなたを見損なったわ」

坂崎は落ち着き払っている。

美帆は身体を震わせた。この人は、何もかも分かっていたのだ。

「氷川さんは、わざと邪魔したのよ。イブのデートに小次郎さんを行かせないために、わざとミスした!」

興奮する美帆を、坂崎の厳しい声が遮った。

「だから何だ。君はそもそも、あの日を大切に考えていたのか?」

「……なっ」

ルナの策略を認めた上、逆に責め立ててくる男に、美帆は言葉を失う。なぜ自分に怒りの矛先を向けるのか、さっぱりわからず混乱する。
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