アイスクリームと雪景色
ルナは笑みを浮かべた。その勝ち誇った表情に一瞬カッとなるが、美帆はもう、どうでもよかった。
この二人とは、今後一切関わりたくない。ただそれだけだった。
「わざわざ、ありがとう。でも、この先どんな忘れ物が出てきたとしても、あなたが処分して。私には必要ないから」
ルナに聞こえないよう小声で訴える美帆に、坂崎は「わかった」と短く返事する。彼はきっと、これも冷たさと受け止めるだろう。
「もう行くわ。さよなら」
美帆は踵を返し、通用口へとまっすぐに進んだ。彼らの足音が、数秒遅れて付いてくる。追いつかれないよう早歩きして、引き離した。
(このブーツ、すごく歩きにくい。今日に限って、どうして……)
出口で社員証チェックを済ませると、小走りで外に出た。
夜の街に雪が降っている。
この二人とは、今後一切関わりたくない。ただそれだけだった。
「わざわざ、ありがとう。でも、この先どんな忘れ物が出てきたとしても、あなたが処分して。私には必要ないから」
ルナに聞こえないよう小声で訴える美帆に、坂崎は「わかった」と短く返事する。彼はきっと、これも冷たさと受け止めるだろう。
「もう行くわ。さよなら」
美帆は踵を返し、通用口へとまっすぐに進んだ。彼らの足音が、数秒遅れて付いてくる。追いつかれないよう早歩きして、引き離した。
(このブーツ、すごく歩きにくい。今日に限って、どうして……)
出口で社員証チェックを済ませると、小走りで外に出た。
夜の街に雪が降っている。