アイスクリームと雪景色
美帆は、いろいろとあきらめた。ごまかしても、真実が変わることはない。

「大丈夫ですよ、先輩」

「え?」

顔を上げた美帆に、里村がニッコリと笑いかけた。

「反省しない人間は、成長しないって言いますから」

どういうことだろう。美帆が目で問いかけると、彼は真顔になる。

「後悔したことを、これからの人生に還元すればいい。反省したら、次は前進あるのみです!」

「里村くん……」

どうやら、美帆を励ましているようだ。真顔の里村は、これまでになくイケメンに見えた。

「そうよね。うん、ほんと、あなたの言うとおりだわ」

反省したら、前進あるのみ。

美帆が素直に頷くと、里村はちょっと照れくさそうにする。そしていきなり、通りの向こうを指差した。

「成田先輩、あの店のプランチャ、めちゃくちゃ美味いんですよ」

「プランチャ?」

「スペイン風の鉄板焼きです。行きましょう!」

後輩に背中を押され、美帆は再び歩き出した。

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