アイスクリームと雪景色
(本当に、困った人ね)

どういうつもりなのかは謎だが、あれこれ考えてみたところで理解できるわけがない。里村に関しては、何も考えず、臨機応変に接するしかない。

不埒な言動を許す気になったのは、一種のあきらめだった。

「里村くん」

「はい……」

かわいそうなくらい、しょげている。でも、これだけは訊いておきたかった。

「あなたは、告白してくる女性を、いつも部屋に誘っているの?」

「え……」

そんな対象として私を見るなら、もう教育係を務めることはできない。

美帆は正面から問いかけた。

「違いますよっ」

拗ねたように口を尖らせる。子どもっぽい仕草に、ほんの少し感情が動くけれど、甘やかしてはいけない。

「違うの?」

さらに問い詰めると、里村は心外そうに眉を寄せる。

「そんなんじゃありません。俺は……」

真顔になると雰囲気が変わる。大人びた眼差しが、まっすぐに美帆を捉えた。

「俺は、成田さんが本気で好きなんです。もう、最初ッから!」
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