強引上司に絆されました

月曜日の朝が、来てしまった。

「会社、行きたくない・・・」

二人分のお弁当を作り、朝食を二人で食べていると・・・つい、呟いてしまった。
花菜美はご飯を口に入れたまま、私を凝視している。

「お姉ちゃん、具合でも悪いの?」

「そういう訳じゃないけど・・・はぁ・・・」

「何か悩んでるなら、話だけでも聞くよ?」

「うん。大丈夫よ。花菜美は、先に出るんでしょ、早く食べちゃって」

腑に落ちないと言う視線は感じたが、平気なフリで食事を続けた。

さくら堂の始業は9時からだが、花菜美は営業部なので、三十分は早く出社する。
朝食の調理と、後片付けは私の担当だ。

「お弁当作ったから、忘れずに持っていきなさいね」

「はーい。お姉ちゃんありがとう」

後片付けも終え、花菜美を送り出すと自分の支度をする。
最後にメイクするだけにしてるので、サッとナチュラルメイクを施すだけだ。
鏡をみると寝不足のせいか、薄らクマが出来てる。
仕方なくコンシーラーで気持ち隠しつつ、メイクを終えた。

重たい足を引きずって、やっとの思いでオフィスにたどり着く。
三駅だけの電車が凄く、苦痛だった。
いつもなら、なんてこと無いのに。

「佐藤さん、おはよーございます!」

元気の良い木田君に、挨拶を返そうとして目眩がした。
視界の隅に、課長が見える。
そのまま、意識がブラックアウトした。
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