強引上司に絆されました
駅へ向かう途中、パンプスの爪先がアスファルトの亀裂に引っかかって、ツンのめりそうになった。
「ん、掴まれ」
課長に手を繋がれる。
「この辺りは、路面が良くないんだ。転ぶといけないから、このまま行くぞ」
そう言って、手を引かれて歩く。
何だか、落ち着かない。
さっきの事もあるし、私、手汗ヤバく無いかな・・・何か心配だ。
駅に着くと、手が離れる。
何となく、寂しいと感じた。
「さっきのだけど、俺は本気だから。月曜に答えを聞かせて貰うよ。休みの間、頭の中俺のコトで一杯にして、良く考えて答えを出してくれ。まっ、オーケー以外受け付けないがな」
そう言って、改札を抜けて行った。
私は別の地下鉄路線なので、そこから更に階段を降りて帰った。