【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
光一「じゃ、華はどんな予想してたワケ?」
光一はいたずらっぽい眼差しを華に向けた。
華「そうだな~ふたりは長年付き合ってた恋人なんだけど、どうにもならない事情があって別れちゃったの。でもその時には彼女は妊娠してて、光一さんには内緒で出産。その後、ふたりは運命の再会を果たす!みたいな……」
光一「昼ドラか!」
華「どちらかといえば、ハーレクイン小説かな。梨花さんみたいな強い美人がヒロインでね」

妄想を広げる華を横目に、光一は苦笑する。

光一「浮気とか愛人を疑われてたのは結構ショックだな。華と真剣に向き合ってたつもりだったのに」
華はしゅんと首をすくめる。
華「それは、やっぱり、自信がなくて。ほら、どう贔屓目に見ても、私ってヒロインより脇役のほうがしっくりきちゃうし」

華(だから、なにも聞けなかった。なにも言えなかった)

華「あっ。でもさ、光一さんだって私と松島さんのこと疑ってなかった?」
光一「疑ってはないよ。ただ、むかついてただけ」
華「偶然会っただけなのに?」

光一は自由になる左手を伸ばし、華の頭に触れた。そのまま自分の方にそっと引き寄せた。華は光一の胸に顔をうずめる。
光一「華と一緒。ちょっと自信なくしたんだよ。俺みたいな歪んだ人間より松島みたいな真っ当な男のほうが華を幸せにできたんじゃないかなって」






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