【シナリオ版】釣った夫は腐ってました！～鈴ノ木夫妻の新婚事情～

華「光一さんでも、自信なくすときってあるの？」
華は目を丸くして、光一を見上げた。華から見た彼は常に自信に
満ち溢れていて、それが揺らぐことなんてなさそうに思えるのだ。
光一「ない。今までは全然なかった。けど、お前に関しては、なんかダメだ。
ペース乱されるし、感情むきだしになるし……しかも、不思議なことにそれが
嫌じゃないんだよ」
光一は目を細めて、慈しむように華を見た。胸がきゅっと締め付けられるよう
な甘い痛みが華を襲う。


華（あぁ、やっぱり、好きだ。ホワイト光一さんじゃなくて、
目の前の、不器用で優しい、この人が）

華「松島さんは素敵な人だし、奥さんになる人はきっと幸せだと思う。
だけど……私は光一さんと一緒にいたい。光一さんの奥さんでいさせて欲しい」
華は上目遣いに光一の顔をのぞきこむ。光一の頬が少しだけ赤く染まっている
のを確認して、ふんわりと微笑んだ。
光一「さっきさ、自分は脇役が似合うって言ってたけど、もし俺がなにかの物語の主役
だったとしたら、ヒロインは間違いなく華だよ。なにせ、俺の完璧だったはずの結婚観をひっくり返したんだから」
華「ほんとに？」
光一「うん。一緒に料理とか、休日にデートとか、ささいなすれちがいでケンカとか、
昔は死ぬほど面倒くさいと思ってたのに、今は華とならありだなって思ってる。そういう風に年を重ねていくのも悪くないなって」
華は光一の背に腕も回し、ぎゅっと強く抱き着いた。
華「悪くないどころか……それって、最高だと思う」