【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
光一が華の顎を持ち上げ、そっと顔を近づけた。
慣れない左手を使うせいか、少しぎこちない。初々しいファーストキスのようで、
華の胸の鼓動はどんどん加速していく。
ふたりの唇がゆっくりと重なった。

光一「やめる気ないけど、いい?」
熱を帯びた声は、問いかけているようでいて、否とは言わせない迫力があった。
華の返事を待たずに、光一は再度、甘く熟れた唇を味わう。
深く、長い、そのキスに華は息苦しさを覚えた。
華「はぁ。ま、待って」
光一「やだ」
光一はソファの上にどさりと華を押し倒した。幼い子どものような直情的な
眼差しで、華を見つめる。

華「だ、だって、光一さん右手怪我してるし」
光一は自身の右手を持ち上げ、じっと見つめる。
光一「……たしかに。利き手が使えないってのは不便だな」
華「でしょう?」
光一「でも、やめる気ないし」
光一は扇情的な笑みを浮かべる。
光一「華がリードしてよ」
華「えぇ?無理、無理、無理~」
光一「全部、教えてやるから」

華(よ、余計、無理!)
真っ赤になった顔を隠すように、華は両手で顔を覆った。
光一はクスクスと笑いながら、それをはがしていく。
光一「じゃ、レッスンワンな。……そういう仕草は、余計に俺を煽るだけだから無駄」
言いながら、光一は華におおいかぶさり、やわらかな頬に唇を寄せた。

ーー華のリードがうまくいったかどうかは、ふたりだけの秘密だ。








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