【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
15話 彼女を見つけた日
〇光一の回想・幼少期、幼稚園にて。
女の子1「私がお母さん役で、光一くんが旦那様の役なの」
女の子2「ダメだよ!こないだもそうだったもん。今度は私がお母さんの役!」
女の子1「私がやるの。光一くんだって、私とのほうが楽しいもんね。そう
言ってたよね?」
光一(……言ってない。僕もヒーローごっこしたい)
光一は楽しそうに遊ぶ男の子グループを羨ましそうに眺めた。その隣で、
女の子たちのケンカはヒートアップしていく。みかねた先生がやってきて
、仲裁にはいった。
先生「うんうん。じゃあ順番こにしようか。光一くんはどう?ふたりと
仲良く遊びたいよね?」
光一(遊びたくない。ヒーローごっこ……)
光一は訴えかけるように先生を見たが、まるくおさめたいという先生の本音が透けて見えてしまい、なにも言えなくなった。
光一「うん。順番こがいいと思うな」
光一の本音には、誰も気がついてくれなかった。
〇光一の回想・高校時代、屋上にて。
光一「なにこれ。どういうこと?」
女子の集団に取り囲まれた光一は、その中心にいる美少女に話しかけた。
昨日まで光一の彼女だった子、八木あおいだ。あおいはポロポロと
涙を流すばかりで、なにも言わない。かわりに口を開いたのは彼女の
親友とかいう女だった。
女「あおい泣いてるじゃん。かわいそうだと思わないの?」
光一「なんで泣いてるの?」
光一はあくまでも、あおいに話かける。だが、答えるのは隣の女だ。
女「鈴ノ木くんが急に別れるとかいうから泣いてるんじゃん。最低だよ」
3か月前、あおいのほうから告白され、付き合うことになった。学年一だと
言われるルックスは、正直、光一も好みではあった。性格は控えめで大人しい。
気が強いタイプよりは自分と合いそうだと思った。ただ、別に彼女のことを
好きだったわけじゃない。はっきりそう伝えたが、彼女はかまわないと言った。
あおい『少しずつでもいいの。好きになってもらえるように頑張るから』
その言葉がうれしかったし、かわいいと思ったから、光一は彼女と付き合うこと
にした。付き合いは順調だった。光一はそう思っていたが、彼女のほうは違った
らしい。昨日、別の男と手をつないで歩いているところに偶然遭遇してしまった
のだ。
光一「別れる理由ははっきりしてるし、八木さんもそのほうがいいでしょ」
自分といるときより、昨日の男といるときのほうがあおいはずっと楽しそう
に見えた。それに、あの男にほうが、きっと自分よりあおいを想っている。
それを直感したから、光一は身をひくことにしたのだ。
あおいは相変わらず、答えない。
女「……理由は聞いたよ。けど、そもそもあおいが他の男と会ってたのは鈴ノ木くんが全然デートもしてくれないし、メールも電話もくれないせいで……」
親友とやらのキンキン声に、光一は気が遠くなりそうだった。
光一(浮気されたほうが悪いのかよ。面倒くせぇ。だいたい……)
光一「なんで、八木さんがしゃべんないの?文句あるなら自分で言いなよ」
無関係の女にあれこれ口出しされることも、意味のわからない応援団がついて
きてることにも腹が立つが、あおいがひとことも発さないのがなにより光一を
イラつかせた。
光一「なんも言わないなら、俺が言うわ。付き合ってはみたけど、あんまり
好みじゃなかった。だから別れてくれる?」
女子の罵声とあおいの泣き声を背に、光一はその場を立ち去った。
悪者扱いされようが、よりを戻せとせっつかれるよりはずっとマシだと思った。
光一は学んだ。『女なんて百害あって一利なし』だと。
女の子1「私がお母さん役で、光一くんが旦那様の役なの」
女の子2「ダメだよ!こないだもそうだったもん。今度は私がお母さんの役!」
女の子1「私がやるの。光一くんだって、私とのほうが楽しいもんね。そう
言ってたよね?」
光一(……言ってない。僕もヒーローごっこしたい)
光一は楽しそうに遊ぶ男の子グループを羨ましそうに眺めた。その隣で、
女の子たちのケンカはヒートアップしていく。みかねた先生がやってきて
、仲裁にはいった。
先生「うんうん。じゃあ順番こにしようか。光一くんはどう?ふたりと
仲良く遊びたいよね?」
光一(遊びたくない。ヒーローごっこ……)
光一は訴えかけるように先生を見たが、まるくおさめたいという先生の本音が透けて見えてしまい、なにも言えなくなった。
光一「うん。順番こがいいと思うな」
光一の本音には、誰も気がついてくれなかった。
〇光一の回想・高校時代、屋上にて。
光一「なにこれ。どういうこと?」
女子の集団に取り囲まれた光一は、その中心にいる美少女に話しかけた。
昨日まで光一の彼女だった子、八木あおいだ。あおいはポロポロと
涙を流すばかりで、なにも言わない。かわりに口を開いたのは彼女の
親友とかいう女だった。
女「あおい泣いてるじゃん。かわいそうだと思わないの?」
光一「なんで泣いてるの?」
光一はあくまでも、あおいに話かける。だが、答えるのは隣の女だ。
女「鈴ノ木くんが急に別れるとかいうから泣いてるんじゃん。最低だよ」
3か月前、あおいのほうから告白され、付き合うことになった。学年一だと
言われるルックスは、正直、光一も好みではあった。性格は控えめで大人しい。
気が強いタイプよりは自分と合いそうだと思った。ただ、別に彼女のことを
好きだったわけじゃない。はっきりそう伝えたが、彼女はかまわないと言った。
あおい『少しずつでもいいの。好きになってもらえるように頑張るから』
その言葉がうれしかったし、かわいいと思ったから、光一は彼女と付き合うこと
にした。付き合いは順調だった。光一はそう思っていたが、彼女のほうは違った
らしい。昨日、別の男と手をつないで歩いているところに偶然遭遇してしまった
のだ。
光一「別れる理由ははっきりしてるし、八木さんもそのほうがいいでしょ」
自分といるときより、昨日の男といるときのほうがあおいはずっと楽しそう
に見えた。それに、あの男にほうが、きっと自分よりあおいを想っている。
それを直感したから、光一は身をひくことにしたのだ。
あおいは相変わらず、答えない。
女「……理由は聞いたよ。けど、そもそもあおいが他の男と会ってたのは鈴ノ木くんが全然デートもしてくれないし、メールも電話もくれないせいで……」
親友とやらのキンキン声に、光一は気が遠くなりそうだった。
光一(浮気されたほうが悪いのかよ。面倒くせぇ。だいたい……)
光一「なんで、八木さんがしゃべんないの?文句あるなら自分で言いなよ」
無関係の女にあれこれ口出しされることも、意味のわからない応援団がついて
きてることにも腹が立つが、あおいがひとことも発さないのがなにより光一を
イラつかせた。
光一「なんも言わないなら、俺が言うわ。付き合ってはみたけど、あんまり
好みじゃなかった。だから別れてくれる?」
女子の罵声とあおいの泣き声を背に、光一はその場を立ち去った。
悪者扱いされようが、よりを戻せとせっつかれるよりはずっとマシだと思った。
光一は学んだ。『女なんて百害あって一利なし』だと。