【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
光一にとってもっとも腹立たしいのは、彼女がそれを不満とも思っていない
ように見えることだった。

華「え、温泉旅行のお土産?わー、これ高級なやつですよね?いいんですか?」
清掃員2「いいのよ~。こないだ捻挫しちゃったとき、シップ買ってきてくれたじゃない。あれ、ほんとうに助かったから。うちの嫁も白川ちゃんみたいに気が利く子だと
いいのにー」
華「でも、私じゃあんな美少年のお孫さんは生まれてこないかもですよー!来月
運動会って言ってましたよね?また写真見せてくださいね」

華はおばちゃん特有のオチの見えない長話にも、嫌な顔ひとつ見せず付き合っている。

光一(便利に使われてるだけなのに、よっぽどのお人好しかただの馬鹿か)

光一にとっての人間関係とは、自分から利を得ようとすりよってくる人間をうまく
かわすこと。この一点に尽きると言ってもいい。幼少期からずっとそうだった。
無駄な敵は作らず、かつ、利用もされないように立ち回る。
すっかりコツをつかんだとはいえ、それなりに疲弊することも事実だ。
そんな光一からすると、華のように無自覚に利用されまくっている人間は馬鹿
だとしか思えなかった。






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