【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
〇おしゃれなレストラン、夜。
社内懇親会という名の合コンに誘われ、光一が珍しくOKをしたのには理由があった。
その前日、上司からそれとなくお見合いの話を持ちかけられたからだ。相手は取引先の社長令嬢。一度でも会ってしまったらこちらからは絶対に断れないだろう相手だった。
光一(そんな背景の女と結婚して、家に帰ってからも気を遣うなんて、ありえねー)
それならば、もっと気楽な相手とさっさと結婚してしまうのも悪くない。相手が社内
の女なら、くだんの上司も納得してくれるだろう。光一の頭にはそんな打算もあった。
会場となるレストランに少し遅れて到着した光一は、華の姿を見つけて少し驚いた。
光一(そういや、受付の子たちと……って言ってたっけ)
光一は作り笑顔を浮かべながら、相手の女たちをざっと眺めた。
シミひとつない白い肌、バサバサと音のしそうな長い睫毛、テカテカと輝く
ピンク色の唇。つやのあるロングヘアに、仕事帰りとは思えないほど気合いの
入ったワンピース。
制服なのかとつっこみたくなるほど、同じ雰囲気のファッションにヘアメイク。
みな、美人なのだろう。その証拠に周囲の席の男どもが羨ましそうにこちらを
見ている。
だが、光一にはその魅力がいまいちわからなかった。そもそも、全員が同じ顔
に見えて仕方ない。
光一(クローンみたいで、面白くはあるけど)
社内懇親会という名の合コンに誘われ、光一が珍しくOKをしたのには理由があった。
その前日、上司からそれとなくお見合いの話を持ちかけられたからだ。相手は取引先の社長令嬢。一度でも会ってしまったらこちらからは絶対に断れないだろう相手だった。
光一(そんな背景の女と結婚して、家に帰ってからも気を遣うなんて、ありえねー)
それならば、もっと気楽な相手とさっさと結婚してしまうのも悪くない。相手が社内
の女なら、くだんの上司も納得してくれるだろう。光一の頭にはそんな打算もあった。
会場となるレストランに少し遅れて到着した光一は、華の姿を見つけて少し驚いた。
光一(そういや、受付の子たちと……って言ってたっけ)
光一は作り笑顔を浮かべながら、相手の女たちをざっと眺めた。
シミひとつない白い肌、バサバサと音のしそうな長い睫毛、テカテカと輝く
ピンク色の唇。つやのあるロングヘアに、仕事帰りとは思えないほど気合いの
入ったワンピース。
制服なのかとつっこみたくなるほど、同じ雰囲気のファッションにヘアメイク。
みな、美人なのだろう。その証拠に周囲の席の男どもが羨ましそうにこちらを
見ている。
だが、光一にはその魅力がいまいちわからなかった。そもそも、全員が同じ顔
に見えて仕方ない。
光一(クローンみたいで、面白くはあるけど)