【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
〇店の外。
一番最後に店を出た光一は、同じく女性陣の最後尾を歩く華に声をかけた。
光一「お疲れさま。遅くまで付きあわせて悪かったね」
華「いえ。とっても楽しかったです」
華は頬を染めて、はにかむように笑った。
光一「俺も。本音をいえば、もう少しゆっくり話したかったな。ーーまた会える?」
華「はい!またみんなで飲みに行きましょう」
デートの誘いのつもりだったが、見事にスルーされてしまう。
小さく手を振って帰っていく華の後ろ姿を、光一はいつまでも見送っていた。

地味でおとなしくて、いいように利用されている子。そう思っていた華の印象が
鮮やかなまでにひっくり返された。利用されていたわけではなく、彼女のあれは
彼女の唯一無二の武器なのだ。光一にはないものだった。

光一(ああいう子となら、窮屈じゃない結婚生活が送れるかな)

〇梨花のマンション、昼。

すやすやと昼寝をするリョウを見守りながら、光一と梨花は話をしている。

梨花「要するに、小学生男子の典型パターンじゃない」
光一「うん?」
梨花「好きな女の子が気になるくせに、素直になれなくて、いらついたり虐めたり
しちゃうってやつよ。あんた、モテるわりに恋愛初心者だもんね」
梨花はくっくっと笑いをこらえながら、光一の肩をバシバシと叩いた。
梨花「まぁ、よかったじゃないの。淡い恋がちゃんと成就してさ」

光一「そっちは、これでよかったの?」








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