【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
華「な、なんですか?」
華は後ずさりしながら答える。華が下がった分と同じだけ、光一は近づいてくる。涼しげなライトブラウンの瞳にじっと見つめられると、ロックオンされたように華の体は動かなくなってしまう。

光一「ぷっ。なんで敬語なんだよ?というか、なんで俺のこと避けるの?」
光一はさらりとそんなことを言う。どうやら本当に疑問に思っているらしい。

華(‥‥こ、この人って宇宙人かなにか⁉︎ 思考回路が理解不能なんですけど!なんで避けるのって‥‥)

華「そ、そりゃそうでしょ!この状況で、私が今日の出来事をウキウキで報告できると思う?」
光一「すればいいじゃん。俺は普通に聞けるけど」

華(この人は私を馬鹿にしているんだろうか)
飄々とした光一の態度に、華はますます余裕をなくしていく。

華「じゃあ、しますけどね!結婚後に突然豹変した旦那様について親友に相談したら、外面に騙されたあんたが悪いって言われて、なんの反論もできなかった!いま、自分の馬鹿さ加減を痛感してます。これでいい?」
華に思いきり睨みつけられても、光一にはどこ吹く風だ。余裕たっぷりに笑っている。
光一「ははっ。的確なアドバイスくれるいい親友じゃん。できたら、籍入れる前に教えて欲しかったよな」
華「いや、それは私がちゃんと聞かなかっただけで悠里は悪くな‥‥って、なんか違〜う!」
どうしてそんなに平然としていられるのだろうか。華にはさっぱりわからない。
光一「クスクス。やっぱ面白いよね、華は。ーーあのさ、俺は干渉されたくないって言ってるだけで、別に常に喧嘩腰で生活しようとは思ってないんだけど」
華「‥‥は?」
光一「同居人として、それなりには仲良くやっていこうよってこと」

華(あ、頭が痛い。なんだか耳鳴りもしてきた。‥‥彼の言いたいことが一ミリも理解できないのは、私のオツムが足りないせい?)
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