【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
華「ぜ、絶対に離婚してやる〜」
華の決意のこもった叫びを、光一は軽くあしらう。
光一「はいはい、頑張って。なんなら、優秀な弁護士を紹介しようか?残念ながら既婚者だから、再婚相手にはならないけどな」
華「‥‥な、なんでここまでーー」

華(たしかに、顔と収入に魅力を感じて結婚した。そこは潔く認めよう。私が馬鹿でした、ごめんなさい。でも、私の罪はたかがそれだけじゃない。こんな親の仇かってほど虐められるのはおかしくないですか⁉︎)

光一「それはさーー」
光一は華の顎をくいっと持ち上げると、吐息がかかるほどに距離を縮めた。
こんな状況でも、一瞬ドキっとしてしまう自分の単純さが華は恨めしかった。
光一「華の反応が想像以上に楽しいから。俺、意外とSなのかも」
華「は⁉︎」
光一「さっきの、俺をひっぱたいたときの悔しそうな顔はちょっとゾクゾクしたな。付き合ってた頃のいかにもな愛想笑いより、ずっとそそられた」
華「‥‥叩かれて嬉しいって、それどちらかというとMなんじゃ」
光一「ははっ。ーーじゃあさ、試してみようか?」
そう言って、光一は挑むような目で華を見つめた。彼の親指が華の唇を割る。
もう片方の手が首筋に回った瞬間、華はびくりと体を硬くした。光一の発する濃密な色香に酔わされる。

華「ーーっ。だめ、絶対惑わされないんだから。結論が出るまで、接触禁止でお願いします!」
はっと我に返った華は、彼を思い切り押しのけた。
光一「同じベッドで寝たいなって、ねだってきたのは華の方じゃん」
華「べ、別にあれはそういう卑猥な意味で言ったわけじゃあ」
光一「ぷっ。卑猥って‥‥中学生か」
光一はいまだかつて見たことないほど無邪気な顔で、ケラケラと笑った。

華(中学生はどっちよ‥‥)
華「と、とにかく、私はもう部屋に戻ります!」
光一「はいはい。あ、カレーはいいの?」
光一の質問を完全無視して、華は逃げるように部屋へ駆け込んだ。



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