【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
光一「なんだよ、気持ち悪いな」
華「えへへ。今日のお式を思い出してたら、自然とにやけてきちゃって‥‥」
ソファに座っていた華の隣に光一も腰を下ろす。
彼の大きな掌がポンと華の頭の上に置かれた。
光一「いい式だったよな。華、すごく綺麗だったし」
華「ほんとに〜?」
光一「もちろん。嘘なんかつかないよ」
視線がぶつかって、ふたりでくすくすと笑い合う。
華(なんだかいい雰囲気。今夜はこのまま‥‥)
なんて思ったのは、どうやら華のほうだけだったらしい。
光一は華の思いをするりと交わすように、ソファから立ち上がった。
光一「じゃ、俺も疲れたから寝るわ」
華「えっ?あぁ、そうだよね。さすがに疲れたよね。じゃあ、もう寝室に行こうか」
ふたりは結婚を機に新居を構えることはしなかった。光一が元々住んでいたマンションに華がお邪魔するかたちで、新婚生活をスタートさせることにしたのだ。
都心・駅近・セキュリティー万全の2LDK。子どもができれば手狭になるのかもしれないけど、夫婦ふたりには十分な物件だ。光一はセンスがいいから、インテリアにも不満はない。ただ、寝室のセミダブルベッドは毎日となると、ふたりで休むには狭い気がする。華はそのことを光一に訴えた。

「そうだ。次のお休みでベッドを見に行かない?できれば、もう少し大きいサイズにしたいな」
そんなに贅沢なお願いではないはずだ。もちろんいいよ、そんな言葉が返ってくると華は
思っていたが‥‥。
光一「悪いんだけど、寝室は俺の部屋にしていいかな?隣を華の部屋として使ってくれる?」

華(ーーん?俺の部屋?華の部屋って‥‥。なにか聞き間違えた?)








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