【シナリオ版】釣った夫は腐ってました!~鈴ノ木夫妻の新婚事情~
三島物産は電子機器を扱う専門商社だと記憶していた。システム課と付き合いがあるのは、おかしくない。
携帯で連絡を取り合える今どきは、アポ無しの客は珍しいが、そういうこともあるのだろうと華は深く考えずにシステム課に内線をかけた。
生憎、田中は外出中で不在だった。
華「新庄さま。申し訳ございません。田中は外出しておりまして、本日は夕方まで戻らない予定です。新庄さまがいらしてくださったことは、課の者から伝えておきますので」
華は新庄という客に頭を下げる。
新庄「そうですか。それなら、仕方ないですね」
新庄はそうは言ったものの、なかなか立ち去ろうとしない。なめるような目つきで、じっとこちらを見ている。
華「あの、急用でしたら田中の携帯に連絡を取りましょうか?」
新庄「いえ。田中さんのことは別にいいんですが……」
華「では、他になにか?」
新庄「ここの受付の女性はあまり感じが良くないですよね。前に来たときに対応してくれた若い女の子は言葉遣いもなってなかったし」
華は少し面食らった。こういうクレームを言ってくる客はたまにいるが、目の前の気弱そうな男はそういうタイプには見えなかったからだ。
もしかしたら、本当に過去に失礼な対応があったのかも知れない。いまの自分の対応にも、なにかまずいところがあっただろうか。華は表情を引き締め、目の前の男に向き直った。
華「それは、大変申し訳ございませんでした。失礼な言動がございましたら、すぐにご指摘ください。必ず改善するように致しますので」
新庄「うーん。失礼な言動というか、ここの子たちって見た目ばっかり気にしてる感じだよね。若くてかっこいい男に媚びてるっていうかね」
華「はぁ……」
それはさすがに言いがかりというか、被害妄想が過ぎるんじゃないかと思うものの……とても口には出せないので、華は曖昧な笑みを浮かべたまま彼の愚痴を聞いていた。
最初のおとなしそうな印象とはまるで別人のように、新庄は偉そうな口調で話し続ける。
携帯で連絡を取り合える今どきは、アポ無しの客は珍しいが、そういうこともあるのだろうと華は深く考えずにシステム課に内線をかけた。
生憎、田中は外出中で不在だった。
華「新庄さま。申し訳ございません。田中は外出しておりまして、本日は夕方まで戻らない予定です。新庄さまがいらしてくださったことは、課の者から伝えておきますので」
華は新庄という客に頭を下げる。
新庄「そうですか。それなら、仕方ないですね」
新庄はそうは言ったものの、なかなか立ち去ろうとしない。なめるような目つきで、じっとこちらを見ている。
華「あの、急用でしたら田中の携帯に連絡を取りましょうか?」
新庄「いえ。田中さんのことは別にいいんですが……」
華「では、他になにか?」
新庄「ここの受付の女性はあまり感じが良くないですよね。前に来たときに対応してくれた若い女の子は言葉遣いもなってなかったし」
華は少し面食らった。こういうクレームを言ってくる客はたまにいるが、目の前の気弱そうな男はそういうタイプには見えなかったからだ。
もしかしたら、本当に過去に失礼な対応があったのかも知れない。いまの自分の対応にも、なにかまずいところがあっただろうか。華は表情を引き締め、目の前の男に向き直った。
華「それは、大変申し訳ございませんでした。失礼な言動がございましたら、すぐにご指摘ください。必ず改善するように致しますので」
新庄「うーん。失礼な言動というか、ここの子たちって見た目ばっかり気にしてる感じだよね。若くてかっこいい男に媚びてるっていうかね」
華「はぁ……」
それはさすがに言いがかりというか、被害妄想が過ぎるんじゃないかと思うものの……とても口には出せないので、華は曖昧な笑みを浮かべたまま彼の愚痴を聞いていた。
最初のおとなしそうな印象とはまるで別人のように、新庄は偉そうな口調で話し続ける。